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  • 執筆者の写真Japan IVO

第2回Ablation Club   2019/8/31

8月31日(土)、第2回Ablation Clubが、御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで実施されました。 この企画は若手の先生にアブレーションに興味を持ってもらうために実施しています。第1回の盛会と高評を得て、あまり間を置かずに第2回を企画しましたが、予想を超える盛り上がりとなり、アブレーションの普及とレベルアップに向けて新たな方向性が感じられる会となりました。

最初のケーススタディは北里大学の和田尚久先生、慶応大学の野口二三枝先生が症例を提示し、参加者から様々な質問や意見が出されました。その後、当院の小宮山泰之先生が類似症例を提示しディスカッッションに深みを与えました。NTT東日本関東病院の寺谷卓馬先生などから鋭い指摘があり、その都度、突っ込んだ議論が展開されました。座長は吉田英雄先生(日赤医療センター)と当科の椎名教授が勤めました。

続いて会場を移しハンズオンセミナーを行い、若手の先生には、牛肝や特製のファントムを使って超音波ガイド下の穿刺やアブレーション(模擬焼灼術)を体験してもらいました。 まず牛肝を穿刺して、ラジオ波で焼灼し、その後ナイフを入れて焼灼面を肉眼で確認しました。はっきり焼灼の結果が見られて面白かったと好評でした。

特製のファントムの方は透明度が高く固さと弾力のバランスが良いので複数回の穿刺に耐えることができます。その中に大小のターゲットが混在しています最初は超音波ガイド下に穿刺をするだけでしたが、最後はファントムをケースから出し実際に穿刺後に焼灼してみたところ、チーズで出来ているターゲットが溶け、超音波画像上もまさしく腫瘍が焼灼されていくような像が得られ、驚きの声が上がりました。電極を引き抜いてみると電極に溶けたチーズが付着しチーズの匂いがしました。

虎の門病院の小林正宏先生の乾杯の後、立食の意見交換会を行いました。 全員の自己紹介のあと、椎名教授が中締め的な挨拶をしましたが、ハンズオンセッションはその後も会場が使えるぎりぎりまで続きました。 第1回は長蛇の列となりましたが、今回は16時45分から19時30分までと、3時間近い時間を確保したこともあり、各人十分な体験ができたと思います。 アブレーションに関してはこのようなハンズオン・プログラムはほとんどありません。終了後、参加した先生方から斬新で面白い会だったとの声がたくさん寄せられました。

第3回のAblation Clubは11月のJDDWの際に神戸で実施予定ですが、その後も頻回にこのような会を実施していきたいと思います。主に若手の先生方を対象にしていますが、どなたでも参加できます。また第1回、第2回の参加者も参加可能です。

ラジオ波などのアブレーションは低侵襲でありながら根治性のある治療です。他の分野では外科手術が第一選択ですが、肝癌のアブレーションはSURF trialの結果をみても外科的治療に匹敵する治療です。 また、超音波ガイド下に肝腫瘍やその他の組織を採取する技術は、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬の適応を検討する遺伝子検査のためにも有用となります。 アブレーションや超音波ガイド下生検等の技術をぜひとも多くの先生に身につけていただきたいと思います。

なお、当教室は来年10月にはACTA 2020 Tokyo を主催致します。


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