• Japan IVO

米国の intervention を視察するため Seattle、LA、SF を訪問しました( 機内にて )

米国における intervention の実際を視察するため8月7日から14日までシアトル、ロサンジェルス、サンフランシスコを訪問しました。

13日は朝6時30分にホテルを出て7時に San Francisco 国際空港に着きました。8時50分に San Francisco 発の予定でしたが30分遅れ、Seattle 空港では着陸後にターミナルビルに接続するまで30分以上遅れ、ギリギリで国際便に乗り継ぎました。

今回の視察は米国における intervention の実際を知ることができ大変有意義でした。日本と米国で同様の部分も数多くありましたが、異なる点もありました。

1つは治療の選択です。Primary care physician が患者の癌を発見すると、まず oncologist に紹介し、oncologist が surgeon に紹介するか interventional radiologist に紹介するかにより治療が決まるとのことでした。日本のように患者や患者の家族がインターネットで色々と調べて治療を選択するということは極めて稀とのことでした。なお、私が訪問したのは socio-economical に比較的恵まれた人たちが行く病院でした。

また、スタッフの数的にも空間的にも余裕がある中で治療が行なわれていました。治療に直接携わるスタッフだけでなく、それ以外の業務をするスタッフが日本と比べ豊富でした。 コメディカルが患者のセッティング、機械のセッティングから皮膚の消毒、布掛けまでしてくれ anesthesiologist もいるため、interventional radiologist は治療だけに集中できる環境でした。 なお、ablation team の構成は、Swedish Medical Center では interventional radiologist 1名、anesthesiologist 1名、nurses 2名、X-ray technician 1名、medical engineer 1名の計6名、University of South California (USC) では interventional radiologist 2名、ultrasonographer 1名、male nurse 1名、X-ray technician 1名、medical engineer 1名の計6名、Kaiser-San Rafael では interventional radiologist 1名、anesthesiologist 1名、ultrasonographer 1名、nurse 1名、X-ray technician 1名、medical engineer 1名の計6名でした。また、USC での bile drainage の際には interventional radiologist 3名、ultrasonographer 1名、male nurse 2名、X線技師1名のチームでしたが、ultrasonographer 1名とmale nurse 2名は手技が始まると何もやることがなく、放射線防護衣を着たまま手持ち無沙汰な様子 で透視室の端に座っていました。 日本の病院と比べると病床数は多くないにもかかわらず、広大な敷地に幾つもの建物があり、沢山の部屋があり、個々の部屋も大きく、ホールや通路なども広々としていました。ただし、US-guide で ablation を実施する場合にも CT 室を使用するため、CT 装置が設置されているところにスタッフ全員が入るとそれほど広くは感じませんでした。

Ablation 前の画像検査が1~3ヶ月前であったり(治療直前に非造影 CT は実施しています)、血液データは外来受診時のもので治療当日にはチェックしなかったりする点も日本とは異なります。 また、CT-guide 下の場合、CT 画像観察下に電極を進めるのではなく、深さだけを計算してブラインドで穿刺してから CT で針先を確認していました。US-guide 下の場合、フリーハンドのため精確な穿刺は困難なように思われました。Ablation 実施中に画像による観察をしていないことも驚きでした。 Ablation 後の評価はその場で非造影 CT を撮影して行っていました。 Ablation 後4時間あるいは23時間経過観察をして異常がなければ患者を帰宅させるというのも驚きでした。しかも、通常は血液データや画像検査などは行なわないとのことでした。逆に、なぜ日本では72時間も経過観察をする必要があるのかと質問されました。 Dr. Lekht は3週間後に患者をフォローしていますが、通常は interventional radiologist は治療だけを実施し患者のフォローはしないようです。 医療事情の違いを感じました。

米国の医療費が日本と比べて高いことはよく知られていると思います。米国では「医療費負担」は,「クレジットカード負債」に次いで、個人破産の直接原因の第2位と言われています。さらに,病気になったために失職したなど,間接的な原因まで含めると,個人倒産の半分以上で「医療費負担・疾病」が関与しているとのことです。

米国の interventional radiologist は様々な臓器の intervention を担当することもあり、肝臓の解剖学的知識は私たちのほうがあるように思いました。しかし、色々な臓器の intervention を手掛けているとある臓器で用いる技術や器具を別の臓器の intervention でも用いることができそうに思われ、その点では有利ではないかと考えられました。また、米国では年間100例の ablation を行なっていれば high volume center であり、肝臓の ablation は圧倒的に日本の症例数が多いのですが、他の臓器の ablation や他の intervention でも日本のほうが長じているかどうかはわかりません。ちなみに、USC のグループは1日8例の TACE を行っているとのことです。Radioembolization も積極的に行っており、なぜ日本では行わないのかと質問されました。

私たちからみれば、日本の ablation のほうが術前準備も、手技自体も、術後評価も、その後のフォローも細やかなように思われました。また、ablation の分野では日本が最も実績があるのは確かです。しかし、米国の医師はそのようには考えていません。私も米国医療の現場をみて初めてわかったことがあるように、米国の医師にも日本の実際を見てほしいと思いました。それが相互理解には最も必要なことと思われました。

Ablation in Japan の講演の直後に USC の interventional radiologist から、私たちの international RFA training program に参加したいという申し出がありました。Dr. Lekht からも10月に休暇が取れれば international RFA training program に参加して実際の症例を見てみたいとのメールが送られてきました。

椎名秀一朗

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